突然ですが、「マシュマロ・ テスト」 というのをご存じでしょうか?
え? マシュマロ? テスト?
ひょっとして、中にはご存知のお母さんもいるかも知れません。
これは、 1970年にウォルター・ミシェルとエッベ・B・ベッセンらの心理学者が、スタンフォード大学の学内付属幼稚園で、186人の児童を対象に実際に行われた、心理学研究のための実験です。
で、どんな実験かというと・・・

まず、あなたが4才の子供だとします。
ある部屋に通され、目の前にあるテーブルの上には、おいしそうなマシュマロが一つあります。
そして、あなたに向かって実験者はこんなこと言います。
『ちょっとお使いに行ってくるからね。今すぐ食べてもいいよ・・・
でも、おじさんが戻ってくるまで待っていてくれたら、
ごほうびに、このマシュマロをもう2つあげる。
でも、それまで待てなかったら、 ここにあるマシュマロひとつだけだよ。』

・・・・・・
はは~、なんというか、4才の子供には、大変な試練ですね。
食い意地の張ったウチの子なら、きっとすぐに食べてしまいそうな・・・(笑)
実はこれ、 「欲求の充足」を先延ばしする(つまり、ガマンする)能力という心理的能力をためす実験だったのです。
4才時点での子供たちの反応は、じつに様々だったようです。
- 何人かは、実験者が戻るまでの15~20分を我慢して待った。
- 待っている間、 目を背けたり、歌を歌ったり、手遊びなど、様々な方法で自分の欲望と戦った。
- そして、ごほうびのマシュマロを2つ手に入れた。
しかし、同じ4才児のでも、我慢できなかった子は、 実験者が部屋を出るとすぐに目の前のマシュマロを口に入れて食べてしまったのです・・・
実は、この研究で面白いのは、この実験に対する4才時点の反応に加えて、 その子供たちが高校を卒業するまで、なんと18年間も追跡調査した点です。
さぁて、面白いのは、ここからです。ちょっとWikipediaから引用させてもらうと、
・・・・・・
ウォルター・ミシェルの娘も実験に参加した一人だったが、娘の成長につれ、ミシェルは実験結果と、児童の成長後の社会的な成功度の間に、当初予期していなかった興味深い相関性があることに気がついた。
そして1988年に追跡調査が実施された。
その結果は、就学前における自制心の有無は十数年を経た後も持続していること、またマシュマロを食べなかった子どもと食べた子どもをグループにした場合、マシュマロを食べなかったグループが周囲からより優秀と評価されていること、さらに両グループ間では、大学進学適性試験(SAT)の点数には、トータル・スコアで平均210ポイントの相違が認められるというものであった。
ウォルター・ミシェルはこの実験から、幼児期においてはIQより、自制心の強さのほうが将来のSATの点数にはるかに大きく影響すると結論した。2011年にはさらに追跡調査が行われ、この傾向が生涯のずっと後まで継続していることが明らかにされた。
・・・・・・
さて、私はこれまで非常に多くの子供たちを学習や受験という部分を通して見てきました。
そして、小学生、中学生の頃に教えていた彼ら、彼女らが、やがて大学、社会人となっていった過程もずいぶん見てきました。。。
先ほどの「マシュマロテスト」ではありませんが、やはり、年月を経た彼らの姿を見ていると、当時の出来不出来は別として、 10代の大事な時期に自分にむち打ってがんばってきた子たちは、明らかに輝いているように見えますし、 ある意味成功を収めているような感じさえうかがえます。
私もふだんの授業の中でよく生徒に、今ちょっと我慢すれば、あとで何倍もの喜びとなってもどって来るよ、という話をしたりもします。
「勉強をさぼって遊びたいという欲望のマシュマロを今食べるか、ちょっと我慢して今日の勉強を頑張るか、 どっちを取る?」
何かの時にお子さんに問いかけてみてはいかがでしょうか。
いよいよSBIでも始まる春期講座も、その意味でお子さんにとっても大きな 「試金石」になるのではないでしょうか。