「勉強しなさい」と言って皆さんの子供は素直に、「はい!」と言ってやり出すでしょうか?
そんなにうまくいくなら誰も苦労はしませんね。
こちらが「やらせよう」という意識が強いほど、子供はやらなくなります。
保護者の方で、
「いくら親が勉強しろと言っても、全然勉強しないんです。先生、うちの子に何とか言ってやってください。お願いします。」
これが一番よくあるケースです。
その一方で、こちらにあるタイプ②のように、親がどうのこうの言う前に、子供はしっかりやるべきときにやるべきことをしている例もあるのです。
いくら、塾のほうで、家でもしっかり勉強するようにあの手この手を使って仕向けても、効果のある場合とそうでない場合が出てきます。
子供はよくこういうことを本音で漏らします。
「やろうと思っているのに、勉強しろといわれるから、ヤル気がなくなる。」
非常に多くの子がこのように言っています。

そこで私は、その子に、
「君のお母さんは、勉強、勉強ってうるさい?」
と聞くと、
「うん、しょっちゅう言われる。」
と答えます。
「家で勉強しようという気はあるの?」
と聞くと、ほとんどの子は
「あるけど・・・」
と答えます。
つまり、どういうことかというと、子供は本当は家でも勉強しようという気はあるのですが、親はそれに対してうまくその方向に仕向けられていないということです。
問題はいかに自分からやろうというふうに仕向けるかですが、ただ、「勉強しなさい」では、子供も親をうっとうしく思ってしまいます。
そこで、これまでにもうまくいっている有効な手法を、いくつかご紹介しますので、ぜひ実践してみてください。
① ただ「勉強しなさい」では、漠然としすぎていますので、
「今日は何の教科を勉強するの?」
など、具体的に何をやればいいのか自分で考えさせます。
たとえば、子供が「英語をしようかな」と答えれば、「英語のどの単元をしたいの?」と聞き返してみる。
そうすれば、たとえ「わからない」と答えたとしても、子供なりにどこをすればいいのか考えようとします。
ここで注意したいのは、本当はたとえば前回のテストで全然できていなかったところの復習をさせたいところですが、それは後に回して、まず子供が手をつけやすい、得意なところからはじめられるように仕向けることです。
子供にとっては思い出したくもないイヤな部分からやりだすのはかなり抵抗があるはずですから。
② 子供の勉強が終わった後の言葉かけですが、普通は「ちゃんと勉強した? ゲームしてたのとちがう?」というように言ってしまいがちですが、たとえそうであったとしても、
「どんなところがわかった?」
とプラス面を聞いてみましょう。

はじめはうまく答えられなくても、やがて子供が自分の言葉で答えてくれるようになるでしょう。
そして、ココがわかったから、次は・・・ と次第にヤル気と欲を出すようになってきます。
ポイントは、勉強の中身について具体性を持たせること、そして、その成果についても肯定的に見てあげることです。
また、押し付けがましくさせるのではなく、自分からやろうという気にうまく乗せてあげることも大切です。
そして、何より一番大切なことは、親も子供としっかり同じ目線で向き合うことです。
多くの場合、子供だけに原因があるのではなく、親のほうにも原因の一端が含まれることも意外に多いということを知っていただきたいと思います。
なかなか子供がうまくいかないときは、親としての対応をまず振り返ってみる必要があるのではないでしょうか?
その上で、どうしたらわが子をよい方向に向けられるかを子どもの目線で真剣に考えるべきだと思います。
勉強に関しては、学校任せ、塾任せにせず、親御さんも意識を変えてわが子と向き合っていけば、必ず成果が出てくるものです。