下の2つの円で、どちらが「気になり」ますか?

あるアメリカの学校で理科の授業中、 実験に使っていたマウスが逃げ出し、どこに隠れたのかわからなくなった。
女性の教師は生徒たちに探させたが見つからない。そこで全員を席に着かせ、自信たっぷりにこう言った。
「これだけ探しても発見できないのなら、あとはモリス君にお願いしましょう。」
途端に、ちょっと待って、なんでアイツが、という声があちこちから起こった。教室はざわめき、ある一人が、「モリスには無理です!」 と手を挙げて言った。
実はモリスは、目が不自由だったのである。
教師は答えた。
「なるほど、確かに目が不自由です。だからモリス君には無理だとみなは思うかもしれません。
でも先生は知っています。 モリス君は目が不自由でも、神様から素晴らしい能力をもらっています。
聴力です。
モリス君、 お願いできますか?」
そしてモリスは期待に応えて見事探し出した。
そして、日記にこう書き残した。
『あの日、あのとき、僕は生まれ変わった。
先生は僕の耳を神様がくれた耳だと言って褒めてくれた。
僕はそれまで目が不自由なことを、心の中で重荷に感じていた。
でも、先生が褒めてくれたことで、僕には大きな自信がついた。』
このマウス事件から十数年。
【神の耳】を活かして、音楽の道に進んだスティービー・モリスは、シンガー・ソングライターとして鮮烈なデビューを果たす。
スティービー・ワンダーという名前で・・・。

この話は、「ココロでわかると必ず人は伸びる(木下晴彦著)」の中の文章を引用させていただきました。
さて、もう一度見て見ましょう。

上の2つの円で、どちらが「気になり」ますか?
ほとんどの人は、左側の方が「気になる」と思います 。
人はどうしても「欠けている部分」、「不完全な部分」が気になってしまいます。
欠けていたり不完全な部分があると、 それを完全な姿にしたくなってしまうのです。
でも、ここで見方を少し変えて、まだ不完全な部分はそれそれとグッと認めた上で(放っておいていいという意味ではありません。)、完全な部分(つまり長所)をもっともっと引き出す方が、 本人にとっても能力を開花させやすいと思います。
勉強でも何でも、苦手な部分は努力してより良くする努力はもちろん大切です。
そのために、私も日々生徒たちとがんばっているわけですから。
でも、不完全部分を直そうとするとき、「頑張る」ということがどうしても必要になってくるわけです。
「頑張る」とは、自分の中の「何か」と戦っている状態です。
人間、好きなこと、得意なことをしているとき、「頑張っている」という意識は働きません。
傍から見てたいへんだなあと見えることでも、本人は好きでやっているわけですから、辛くも何ともないのですね。
著名な船井総合研究所の船井幸夫氏も会社や人を伸ばす一番の方法は、「長所進展法」であると言っており、 SBI個別パートナーでもこれを理念の一つに掲げています。