さあ、中学入試を筆頭にいよいよ受験本番を迎えることになりました。
おそらく受験生のみなさんは緊張して受験会場に向かい、試験に臨むこととなるはずです。
これまでたとえ必死にがんばってきたみなさんでも、受験当日、奇跡的に力を発揮できて、難問が解けた・・・っていうことは滅多に起こるものではありませんし、期待してもいけません。
なんせ、受験に奇跡は起こらないからです。
受験当日に一番大切なこと・・・
それは
「ミスを出さないこと」です。
試験会場であなたが120%の力を出すなんてことはあり得ません。
最も大事なことは、今のあなたの力を「100%出し切ること」に尽きます。
試験問題を前に、たとえばあなたが見慣れない問題を目にしたりして緊張し、持てる力の90%、80%、あるいは50%しか出せなかった、ということは十分起こりえます。
つまり、いかに平常心でミスをほとんど出さずに実力どおりの力を発揮できるかが重要なのです。
じゃあ、どうすれば自分の力を100%出し切ることができるでしょうか?
心の中では、「しっかり落ち着いてやろう」などと思っていても、なかなか簡単にはいきません。
たとえば、大勢の人の前でスピーチをする場面を想像してみてください。
スピーチの内容は前日までにしっかり頭の中にたたき込んでいるはずです。でも、大勢の人の前に立った途端、頭の中が真っ白になってしまった・・・
そんな経験はないでしょうか?
実は先生にはあります。
ホントに恥ずかしい話ですが、今から16年ほど前に大勢の保護者の前で話をしないといけない場面で、それは起こってしまったのです。
以来、私はそれがトラウマになってしまって、人前で話をするのは全くダメになってしまいました。
その事件から3年ほど経って、80人ほどの人を対象に2時間のセミナーをしてくれないかという依頼が舞い込んできました。
私は「もう絶対ムリッ!」と言って断り続けたのですが、そうもいかなくなり、しぶしぶ引き受ける羽目になってしまったのです。
セミナーの準備はバッチリできてはいましたが、日が近づくにつれ、ドンドン緊張が高まってきます。食事もまともに喉を通らないくらいになっていきました。
心の中では「あ~、また真っ白になってしまったらどうしよう?!」
とそのことばかりが気になってしかたありません。
そんな中、偶然にもある人から「一瞬で緊張をほぐし、リラックスして普段どおりの力を出す方法」というのを教えてもらいました。
聞いてみて、
「えっ! たったそれだけ!?」
という内容でしたが、わらをもすがる思いで試すしかありませんでした。
結果は、自分でも信じられないほど流ちょうに話すことができたのです。
話しの途中で笑いも取りながら、ほぼ大成功といえる内容でした。
それをきっかけに、私は人前で話せないというトラウマを一気に解消することができたのです。
それ以来、私はいろんな場面で「いざ!」というときにはこの方法を使ってきています。
当然、自分だけでなく、試験に臨む受験生にもこの方法を伝授し、実践してもらっています。
「受験に奇跡なし」と先ほど言いましたが、この方法のおかげかどうかは定かではないものの、奇跡的な合格を果たした例もたくさんあります。
「落ち着いて解けた」
「いつも塾でやっているのと同じようにできた」
「英語の長文が、スイスイ落ち着いて読めた」
「意外と簡単だった」
など、いろんな感想を述べてくれます。
受験生には目の前の受験だけでなく、これからの人生のココ一番という場面でも役立ててもらえればと思っています。
前置きがたいへん長くなってしまいましたが、
「一瞬で緊張をほぐし、リラックスして普段どおりの力を出す方法」
を伝授したいと思います。
やることは至ってカンタン!
各教科とも試験問題が配られてから、試験開始の合図があるまでに
「ゆっくりと腹式呼吸を3回」 やります。
ハイ! たったこれだけです!
「え~!」っと思ったでしょう(^_^;)
私もそうでした。
でも、効果は保証します。
だまされたと思ってやってみてください!
やってみればわかります。
●1分もかかりません!
●音が出るわけでもありません!
●誰にも気づかれずに自分だけで一瞬のうちにできることです!
心の落ち着きを得るには、「意志の力」も大切ですが、コントロールするには限界があります。
リラックスして脳波をアルファ状態に近づける一番確実な方法、それは「呼吸」なんです。
これについては自分なりにいろいろ研究しましたので、難しい理論をお話しすることもできますが、ここではやめておきますね。
意識していなくても、人間は緊張状態にいるときには呼吸が浅くなり、脳に十分な酸素を送られていない状態になっています。
脳をフル回転しないといけないときに、脳が酸欠状態なんて、とんでもないですね!
要は、「呼吸法」によって心の緊張をほぐして、リラックス状態(ミッドアルファといいます)に近づけていき、ミスを出しにくい状態にして実力を発揮することです。
ハイ、では、「腹式呼吸」はどのようにすればいいでしょうか?
上級者用の方法もありますが、受験生のみなさんには簡単にできる方法をお教えします。
① 鼻から思い切り息を吸い(3秒)、お腹の中に息をため込む。
※このときに、肩が上がるようになってはいけません。腹式呼吸ですから胸ではなく、お腹を思い切り突き出すようにしてお腹に息をためます。
② 口からゆ~っくり息を吐き出します(15秒~20秒)。
そのときに、下腹部に力を入れながら、お腹の中にためた息を全部吐き出すようにします。
③ 全部息を口から出し切ってしまうと、自動的に息を吸わないといけない状態になるので、そのまま鼻から息を吸い、また口から吐き出します。
1回で20秒~30秒ですから、3回で1分ほどです。
各科目の試験が始まる前に、人知れず行いましょう!
できれば、入試直前に、赤本などの過去問を使って実際にやってみるのもいいですよ!
幸運を祈っています!